玉川上水ネットとは

挨  拶

玉川上水ネット代表 西村 弘

 柴俊男初代代表の後を受け、2017年(平成29年)5月から代表を務めております。
 玉川上水ネットの前身は、開削されて350年目の2003年(平成15年)に国の文化財(土木施設・遺構)に指定された年に、瀬能誠之氏を代表として発足したものです。
当時は、各種講演会や開削350年記念玉川上水リレーウォーク、多摩川の源流を歩く会、自然観察会、写真展などの活動をしてきました。諸般の事情で活動が中断されておりましたが、2011年(平成23年)7月に、再度設立総会を開催し現在に至っております。
 私達は、「玉川上水・分水網の保全・再生」に向けて、次にような活動をしております。
 (1)歴史的価値を周知し、その自然環境と景観及び生物多様性の生態系を保全・再生する。
 (2)関係者が交流し、各地域の実情を知り、その課題の情報共有を図る。
 (3)管理運営に関わる行政機関や大学等の専門家・研究者と情報交換し、連携を図りながら協働体制を図る。
 具体的な事業として、「開削360年記念玉川上水リレーウォーク」、「展示やシンポジューム」、「情報交換会や連続学習会」、「関係行政機関への要請活動」などです。
 こうした活動の中で2016年(平成28年)には、日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産」に登録されました。この事業は、100年後の子どもたちに、長い歴史と伝統のもとで豊かに培われてきた日本各地域の文化・自然遺産を伝える市民活動を応援するものです。
そこで私達の活動は、
 (1)玉川上水・分水網周辺に存在する自然環境と歴史的・文化的な景観の総合的な保全活動である。
 (2)市民団体や教育機関からなる広範囲なネットワーク構築を通じて、シンポジューム・講演会等の実施、次世代育成活動として、自然観察会、ホタルの自然発生・人工飼育や調査活動など、多岐にわたる活動が展開されている。
 (3)江戸東京での生活を支えてきた広大な水利システムをネットワークを通じて保全していく取組みであり、水環境保全の意義を伝えるメッセージ性の高いプロジェクトである。
と評価されました。
 又、私たちの活動の輪を広げるために、江戸時代の開削当時から玉川上水・分水網を通じて水の恩恵を受けていた外濠や日本橋川関連団体、さらに関連5大学の専門家の皆さんと連携して「玉川上水・分水網を生かした水循環都市東京連絡会」をつくり、シンポジュームの開催や関係行政機関への要請活動などをして参りました。
 そうした活動もあり、東京都は2020年東京オリンピック・パラリンピック後の都市計画として「水の都構想」を掲げ、「玉川上水の流れを復活させ外濠・内濠の水質改善」などを環境先進都市の中核事業として位置づけたいと2019年8月に公表しました。
 かっての玉川上水・分水網は、多摩川から荒川にまたがる約700平方キロにも及ぶ武蔵野台地の分水嶺を開削してつくられ、それぞれの地域に自然流下による水の恩恵を与え「水都江戸東京の形成と発展」に大いに寄与したものでした。
 玉川上水は、線としてではなく分水網も含めた面として捉えるべきであります。
 かってのように玉川上水・分水網が再生された暁には、その存在価値が高まり、私達がめざす「世界遺産」にもなりえるものと思います。
 皆さんとともに頑張って参りましょう。

(2019年(令和元年) 10月10日記)


「玉川上水ネット」 規約

(名称・事務所)
第1条 本会は、「玉川上水ネット」と称し、事務所を事務局長宅に置く。

(目的)
第2条 本会の目的は、次の通りとする。
 (1)玉川上水・分水網の豊かな自然環境と景観、及び生物多様性の保全。
 (2)玉川上水・分水網の歴史と自然、生態系を護り、より良い自然環境を残していく。
 (3)互いに交流を図ることで、各地の実情を知り、地域の課題について情報交換する。
 (4)玉川上水・分水網に関心のある団体・個人・関係機関等との、ゆるやかな連携と交流。
 (5)安心して住める地域づくり。

(事業)
第3条 本会は、前条の目的達成のために、次の事業を行う。
 1、玉川上水・分水網に関心を持つ団体・個人・関係機関の組織化、及び交流会の開催。
 2、玉川上水・分水網、全流域についての実情把握と分析、関係機関等との対話、及び地域課題解決策の検討と提言。
 3、玉川上水・分水網の歴史・自然環境保全のための一致可能な範囲での相互協力、及び支援。
 4、自然環境豊かな安心・安全の地域づくり、流域住民間の絆づくりの推進。
 5、その他、本会の目的達成に必要な事業。

(会員)
第4条 玉川上水・分水網の歴史・自然環境を愛し、本会の目的に賛同する者。

(役員・運営委員)
第5条 本会に、次の役員・運営委員を置き、総会において選出する。但し、庶務は、代表が指名する。
 代表 1名、副代表 若干名、事務局長 1名、会計 1名、会計監査 2名、運営委員 若干名
 2、運営委員は、役員、各団体の代表、個人会員若干名で構成する。
 3、任期を2年とし、再任を妨げない。

(顧問)
第6条 本会に、顧問・名誉顧問を置くことができる。これらは、総会の議を経て代表が委嘱する。

(会議)
第7条 本会の会議は、総会・役員会・運営委員会とする。

(経理)
第8条 本会の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日をもって終わる。
 2、本会の経費は、会費、その他の収入をもって充てる。
 3、会費は、年額、団体3,000円、個人1,000円とする。関係機関等は、実情に応じ対応する。

附則:この規約は、平成23年7月10日から施行する。
   この規約は、平成26年7月12日から施行する。
   この規約は、令和元年5月19日から施行する。